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B03. ビジュアライゼーション

更新日:1月26日

ビジュアライゼーション(視覚化)は日本ではイメージトレーニングという用語で知られています。

 このビジュアライゼーションは、新しい技術を身に着けるとか、技術を磨く、癖を修正する、試合の予習(メンタルリハーサル)などに利用できます。さらに、チームスポーツでフォーメーションなど戦略を学習するときもビジュアライゼーションと実際の練習を組み合わせるのが有効と報告されています。

 ビジュアライゼーションでは一般的に閉眼して自分が上手くプレーしている姿を映像として数分から数十分思い浮かべます。そして二つのパターンがあります。一つは、自分が一人で上手くプレーしているところを映像として思い浮かべるもの(一人称)、もう一つは試合中に自分が他の選手たちとうまくプレーしていて、審判や観客もいるところを映像として思い浮かべるもの(三人称)ます。また、一人称と三人称のイメージを組み合わせることもあります

 例えば、バスケットボールでフリースローの場面で、観客やプレーヤー、審判などと共に自分がいるのを映し出し(三人称)、次に自分にズームして自分がボールを持ってゴールを見てシュートを打ち(一人称)、ボールがゴールに吸い込まれていくところを視覚化する、というように第三者的な視点から自分自身に移し、自分が成功する姿を映し出していくものです。もしうまく行かないイメージになってしまった場合にはビデオを止めて巻き戻して成功する場面に変更するのと同じようにやり直します

 ビジュアライゼーションの回数は、例えば週1~2回よりも3回など、回数が多い方がよいと考えられています。また身体的な練習と交互に行うなど通常の身体的練習の補助として利用するのが効果的ともいわれています。さらに、競技に関連した用具、例えば、ボールやバット、ラケットなどを持って、実際のパフォーマンス中の動作を視覚化することで、適切な運動感覚をイメージしやすくなります。

 米国の高校のある女子バスケットボールチームでフリースローの成功率が低いので、コーチは試合前のウォーミングアップの前に15分のフリースローが成功するビジュアライゼーションを導入しましたという研究報告があります(Post PG et al., 2010)。するとそれまでは成功率が53.2%であったものが70.0%に上昇したとのことです。因みに私も2年ぶりに後輩とバスケットボールの試合をするときに数日前からステップバックスリーのビジュアライゼーションを行っていたところ、バスケットをしたのは2年ぶりにも関わらず、試合でステップバックスリーを決めることができました。皆さんに自信を持ってビジュアライゼーションの利用を推奨できます。


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