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B04. ゾーンに入る条件

更新日:2月9日

ゾーンに入るにはどうすればいいのでしょうか?ゾーンに入るためには、取り組もうとしている課題が頑張れば達成できそうなことであり、またモチベーションが高いという2つが少なくとも必要であるとされています (Norsworthy C, et al. 2023)。


 最初の要素は、目標設定あるいは課題の設定であり、それらは自分でコントロールできることで、頑張れば達成できる現実的なことへのチャレンジであることとされています。自分でコントロールできないことや難しすぎること、非現実的なことではないということです。自分でコントロールできないことだと、その目標を達成できたのは自分の努力の結果ではないということになります。また、高すぎるとなかなか達成できず途中であきらめてしまう可能性があります。また非現実的なことだとあり得ないことなので、途中でやる気がなくなってしまうでしょう。目標設定で重要なこととしてSMARTというが推奨されいます。

 2つ目は高いモチベーションです。モチベーションとは、やる気を起こさせる強い力のことであり、やる気を起こさせる方法が重要となります。従って、メンタルトレーニングでは目標や課題の設定の仕方とモチベーションの高め方についてトレーニングしていくことになります。また、大事な場面で降りかかる大きなプレッシャーにうまく対応して、練習してきた成果を発揮できるようにメンタルをコントロールする方法も身に付けて行きます。

 2023年8月27日に行われたバスケットボール ワールドカップ 日本対フィンランド戦で、富樫勇樹選手は第3Q残り2分40秒から第4Qにかけての4分4秒の間出場しました。その間に18点負けている状況から7点差に追い上げました。そして、その後、日本代表は大逆転に成功しました。

 ヘッドコーチのトム・ホーバスのチームの目標は3ポイントシュートを多用するというもののようでした。富樫選手はポイントガードとして、フォーメーションを駆使して3ポイントシュートを主体としたオフェンスを展開しました。チームメートは厳しい状況で断固たる決意で3ポイントシュートにチャレンジし、連続して成功し、フィンランドを追い上げました。

 私は、実際に3ポイントシュートの多用で追い上げることができ、チームとしてトム・ホーバスの戦略が正しいことを確信し、頑張れば逆転できるという期待値とモチベーションが高まり、集団ゾーンに入り、大逆転に成功したと考えています。


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