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0322 久保選手とジャッジ選手の一瞬の判断

更新日:3月22日

2025年3月20日にW杯出場をかけた日本xバーレーン戦が行われました。1対0で迎えた87分、久保健英選手がゴールを決めて勝利を決定付けました。多くの人がクロスを上げると予想していたと思いますが、相手キーパーとゴールのわずかな隙間をついたニアへのシュートでした。久保選手は一瞬その隙間が見えて「シュート」と自動思考が生じてシュートしたのかもしれません。

 2024年10月31日の大リーグワールドシリーズ、ドジャース対ヤンキース第5戦、初回に2ランホームランを打っていたジャッジ選手の簡単なセンターフライの落球をきっかけにヤンキースは逆転され、ドジャースが優勝しました。この捕球の場面をビデオでよく見てみるとジャッジ選手の視線は捕球直前に一塁ランナーに向いてしまっていました。もしかしたら一塁ランナーの離塁を見て「早く一塁に送球すればダブルプレーを取れる」と自動思考が浮かんで一瞬ボールから目が離れてエラーしてしまったのかもしれません。

 久保選手もジャッジ選手もともに目に入った光景から瞬時に浮かんだ自動思考で行った判断と行動と思いますが、久保選手は成功しジャッジ選手が失敗した理由は何でしょうか?

 久保選手は試合後のインタビューでそのシュートについて、「前田コーチがデザインしてくれたセットプレーのおかげで、前半も一回チャンスが作れたんですけど前半クロスミスったんで、後半はより余裕を持ってキーパーの位置がちょっとクロス待ってたんでゴールいけるかなと思って打ったら入ってよかった。」と語っていました。この勝利を決定づけたシュートの寸前にその前の失敗から「より余裕を持ってキーパーの位置を確認する」という心構え、予習ができていたために成功したのかもしれません。

 サッカーでは攻撃の決定機にパスミスやシュートミスがみられますが、味方の選手は攻撃の形がよかったためか手を叩いてそのプレーを評価します。久保選手は確かに最初の同様のプレーでミスしていますが、結果的に大きなインパクトはありませんでした。しかし、守備のときの決定機のミスは致命傷になるのはよく見る状況です。さて、野球の攻撃でいうと3割打者は名選手ですが、7割は失敗していることになります。しかし、守備におけるエラーは頻度が低いため、そのインパクトは大きく、勝敗を左右します。久保選手とジャッジ選手の視覚情報から生じた自動思考とそれに続く判断と行動が試合に与えたインパクトの違いは攻撃と守備の違いもあるのかもしれません。

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