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0327 ジャイアントキリング:する側される側のメンタリティ

更新日:3月28日

ジャイアントキリング(giant-killing)とは、格下のチームや選手が格上に勝利することです。番狂わせとか大物食いとも呼ばれます。このようなことが起きると「うさぎと亀のお話」のうさぎのように、油断していたからだといわれたりしますが、本当にそれだけなのでしょうか?

 ジャイアントキリングが起きるときの格上、格下のメンタルはどのようなものなのでしょうか?

 2019年7月3日の天皇杯全日本サッカー選手権大会でJ1のチームが大学のチームに敗けるということがありました。ジャイアントキリングされたJ1の選手は試合後に「闘えていなかったと思います。監督にも『怯えていた』と言われました。」「このゲームに向けてしっかりと準備してきました。」「試合の入りから、一つひとつのプレーに魂がこもっていなかったですし、自信を持ってプレーできていなかった。」「自分たちのミスから相手にチャンスを与えてしまっていたと思います。」決して油断はしていません。むしろ、怯えていたというのです。何に怯えていたのでしょうか?それを表す言葉が「ボールを大事にするあまり、後ろ向きになってしまう」です。(A10. 格下相手との闘い)すなわち、格下に負けることに怯え、ミスをすることを恐れて、大事に大事と後ろ向きのプレーをした。自分たちのプレーを弱気で小さなものにしてしまったということです。対戦相手に威圧感は与えられませんね。

 サッカーの名将ジョゼ・モウリーニョはジャイアントキリングを起こす下位チームは「(勝たないといけないという)プレッシャーがなく、クオリティーとモチベーションがそろったチーム」と話したそうです(B01. 受け止め方を変える)。ミスを恐れずに立ち向かっていこうと思いっきりがいい。さらに監督・リーダーがこれに集中すれば勝てるんだ」という戦略と高い士気を示すことによって質は上がり、さらにモチベーションが上がるということになります。質の高い、自信に満ちた戦闘モードのチームに変身するのです。

 格上はミスを恐れた縮こまったプレー、格下はミスを恐れず自信を持った大胆なプレーとなります。心技体の、「技と体」が上回っても心(メンタル)によって縮小したチームと、心によって巨大化したチームの闘いでは、後者の方が勝つチャンスが膨らむということでしょう。


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