0405 山本由伸投手の悪送球後にみえるメンタルマネージメント
- Professor M
- 4月5日
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2025年4月4日フィリーズ戦に先発したドジャースの山本由伸投手は初回1死から二塁打を許し、次のバッターの打席のときに、盗塁を刺すため三塁へ投げたが悪送球となり、先制点を許してしまいました。試合後に山本投手は「後悔の残るミスでした。ベースの上を狙って一歩踏み込んで投げればよかった。相手足速い情報も入っていたので少し焦ってしまって……本当に基本的なミス」と振り返っていました。
不安に思っていた足の速いランナーに盗塁を仕掛けられ、おそらく「早く投げないといけない」という自動思考が瞬時に浮かび、そのことで焦り(感情)、基本とは違う送球(行動)をしてしまい、悪送球になってしまったというのです。
自動思考とそれに続くミスに繋がる行動は、去年のMLBのワールドシリーズ第5戦でのジャッジ選手の落球もそうだと思うのですが、野球以外の様々なスポーツで生じることです。
どうすれば良いのでしょうか?
単純に考えれば予防と事後処理と思います。
予防。一般的に考えれば、この自動思考は勝手にしかも瞬時に浮かぶので、自分ではコントロールできないものです。従って自分でコントロールできることに焦点を当てて予防していくことになります。すなわち、自動思考に反応して基本から外れた行動を選択してしまわないように準備しておくことになります。自動思考が浮かぶ状況を予想し、浮かんだときにどう行動するかを決めておいて、練習やビジュアライゼーションを通して頭と体に染み込ませておくことになります。
事後処理も極めて大事です。去年のMLBワールドシリーズ第5戦でジャッジ選手が落球のショックを引きずって、ヤンキースは5点のリードをひっくり返されてしまったように見えました。
このことに関して山本投手には3つの素晴らしい対処がみられます。一つ目は、「切り替えて」と話しており、ミスを引きずらずに切り替えたところです。二つ目は、「何とか粘って投球できたかなと思います」と「粘る」という「ひとつひとつ丁寧に確実にプレーをしていく」と、ミスに繋がった自動思考への反射的行動をしないように注意している点です。そして最後に3つ目は、「すごくいい感覚で投げられているし、もっとよくできると感じている所もたくさんあるので、よりいい投球を登板ごとにやっていけたらと思います」と自分のミスで失点し、負けてしまったのですが、6回3安打5奪三振1失点(自責0)という投手としてはすばらしい内容をポジティブにフィードバックもしているところです。サンドイッチ法が使われています。