B10. ミスしたらサンドイッチ
- Professor M
- 1月27日
- 読了時間: 3分
更新日:2月16日
練習でも試合でもミスをして落ち込んでしまうことがあるでしょう。ましてやそのミスを監督やコーチに怒られると立ち直れない気持ちになります。結局いずれの場合もミスをした自分を責め、否定してしまい、練習や試合へのモチベーションは大きく低下してしまいます。ミスのことを考えたくないため、ミスの原因を見つけ、改善するという次のプロセスに向かう気力がなくなってしまいます。進化が止まってしまうのです。

元女子バレーボール日本代表の益子直美さんは、ご本人が監督に激しく怒られてバレーボールが嫌いになったという経験から「監督が怒ってはいけない小学生バレー大会」を2015年から開催しています。
一方で、元サッカー日本代表の中山雅史さんは「褒め言葉は自分をだめにするから好きではない」と語ったそうです。確かに、褒められるだけであれば奢ってしまい、悪かったところを修正してさらにパフォーマンスを向上させるという折角の成長のチャンスを失うことになります。
どうすればよいのでしょうか?
このような場合、サンドイッチ法(リック・ウォルフ(訳)伊豫雅臣、他.2021)(Positive-Negative-Positive法)を用います。失敗してしまってから少し気持ちが落ち着いたら、良かった点を確認し(ポジティブフィードバック)、次に悪かったところに目を向けて、修正の仕方を考え、今度はうまくいくだろうと前向きに対応するのです。「これだけできた、そして、ここを修正すればもっとうまくなれる!」。モチベーションを上げることができると思います。
私はアスリート自身がこの方法を認識しておくべきだと思います。そして自分が自分を責めてしまうようなときや実際に怒られたときに用いるのです。当然“周囲の人たちも認識しておくべきでしょう。

海外でも活躍した元サッカー選手の中村俊輔さんは毎日書いていたサッカーノートに、試合をした後の反省点や、その改善策を書く、そして、練習、試合、そして反省点を書くというサイクルを繰り返していたそうです。「反省することを文字にして」、改善についてプランニングして、できるとうれしいという、小さな成功体験、スモールサクセスが次のステップへと導いてくれたと語っていました。反省点から始まっていますが、ポイントは「できた」そして「できるとうれしい」という経験と前向きな気持ちになれることを知っているから、サンドイッチ法と言えると思います。ところで、このような考え方は業務管理などでよく言われるPDCA[Plan:計画、 Do:実行、 Check:確認、Act:改善]サイクルで段階的にレベルを上げて行くというのに似ています。