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C01. スポーツにおける動向

更新日:1月21日

一般の人たちによるスポーツ観戦が好きな理由の上位は「見ていて白熱したり感動したりするから」「応援しているチームがあるから」「応援している選手がいるから」というものでした(マーシュ2015 .5.13)。またスポーツ選手で尊敬できる理由や好きな理由として、メンタル面では謙虚さや超人的な精神力、不屈の精神、好きで楽しそうなところ、ストイックな姿勢などをあげています(株式会社CMサイト2020.6.19)。スポーツ選手の活躍は私たちに多くの感動を与えてくれ、またそのメンタルは尊敬に値することが多いと考えられます。

 ところで、2021年に国際オリンピック委員会はIOC Mental Health in Elite Athletes Toolkitで、エリートアスリートの心の健康と身体の健康の両者に対するケアを優先させなければならない、そしスポーツ組織はアスリートのメンタルヘルスを支援する体制を構築すべきとの声明を出しています。

 この声明の背景には、世界人口の約13%が何らかの精神疾患を患っているのに対して、アスリートの少なくとも3人に1人がメンタルヘルスの症状を経験する可能性があると研究で示されているためです。さらに近年メンタル不調をカミングアウトするスポーツ選手も増えてきていることも理由だと思います。

 スポーツ選手には独特の才能がありますが、燃え尽き症候群、苦悩、不安、うつ、不健康な食事パターン、不眠、アルコールや薬物の乱用などメンタルヘルス上の課題と関係することがあります。また、精神的健康には様々な要因が関係していますが、スポーツ関連の要因として怪我、パフォーマンスへのプレッシャー、失敗や成功への対処、キャリア転換などに加えて、スポーツ以外の人生の課題に関する悲しみ、人間関係の葛藤、経済的な困難などもあるとしています。

 日本では厚生労働省が事業者は事業場における心の健康づくりに積極的に取り組むように表明しています。会社で行われるストレスチェックも社会に浸透してきていると思います。各スポーツ組織でも同様のメンタルヘルスケア体制が国際的に望まれてきています。

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