top of page

A05. フリージング

更新日:1月26日

 すごく緊張して余計な力が入ってしまって試合で実力が出せない、腰が引けてしまって前に出られない・・・。

 私たちは非常に強い恐怖に襲われると、固まる、腰が引ける、腰を抜かす、頭が真っ白になって何も考えられなくなるなどのフリージング(凍結反応)を起こし、動きが悪くなります。

 これは一気に血管が収縮して、筋肉が収縮して硬直し、動けなくなり、また脳血流も減って考えられなくなっている状態です。腰の筋肉が硬直すると、いわゆる腰が抜けるという状態になります。このフリージングは闘争か逃走のレベルを超えた不安・恐怖反応といえるでしょう。

 フリージングに近い状態では体が部分的に固まり、ぎこちないパフォーマンスになります。ただ、フリージングも本来は身を守るためのものと思われます。筋肉が硬くなるということは外部からの体の攻撃による痛みを避けるためと考えられます。また襲ってくるかもしれない動物に見つからないように咄嗟に腰を抜かして動くのを止めて、身を伏せて、自分の存在を隠すとか死んだふり(擬死行動)をするためとも考えられます。「動くな、伏せろ」です。

 フリージングは短絡回路意識回路のどちらでも起きます。

 以前、ドッキリのようなテレビ番組で、高校の教室で生徒が椅子に座っているところにアイドルが登場すると生徒は驚いて一度立ち上がるのですが、すぐに腰が抜けてしまう、それを繰り返すという場面がありました。アイドルが登場してうれしいはずですが、うれしいというようなポジティブな感情を抱く前に、強い驚きの方が先に出現し、強い不安・恐怖に出会ったときと同じような反応になったと考えられます。これは短絡回路を介してのフリージングで、敵か味方かを判断する前に、まずは身を守る反応が出ると考えて良いでしょう。

 一方で、かなり前にテレビ番組で、プールで水面から数メートルの高さの飛び込み台から芸人が飛び降りることができるかどうかというものがありました。そのとき芸人はかなり長い時間飛び降りることはおろか、高い飛び込み台の上に這いつくばって立ち上がることができずにいました。こちらは意識回路です。

bottom of page